パーツ心理学とは?

パーツ心理学とは、心の中に、パーツ(単数系はパート)と呼ばれる人格がいくつも存在するという考え方です。いろんな人格が役割を持ち存在していて、どれも大切な存在。
わかりやすく言うなら、多重人格といってもいいのですが、おかしく感じる方も多いかもしれません。ですが、トラウマ治療で効果があると広まってきている考え方です。
例えばこんな経験はありませんか?何かに挑戦しようとした時に「おまえには無理だ」「きっと失敗するだろう」というような批判的な声が聞こえてくる。これが1つのパートさんで批判屋さんです。
批判的な声は誰だって嫌ですから、聞かないように、見ないように悪者にして隠そうとします。そして、失敗しないように、挑戦をしなくなったり、行動しないようになったりする原因になります。
「おまえには無理だ」という声が聞こえるのが嫌で、お酒でまぎらわせたり、甘いものを食べる人もいるかもしれませんし、完璧な人間になろうとして、仕事人間になる人もいるでしょう。
ですが、声を無視すればするほど、強くなってきます。そして、自分はダメな人間だという思いが強くなり、生きづらさを抱え、やる気がなくなっていきます。
この状態で病院へ行くと、何か診断がついてしまうかもしれません。
パーツさんの対処法
パーツ心理学では、パーツさんがなぜそんな言葉をかけてくるのか、愛情をもってパーツさんと会話していきます。パーツさんたちは、あなたが憎くて文句を言ってきているのではありません。
あなたのことが大切で守ろうとしているのです。それは、お母さんが小さな子どもを外敵から守るようにです。転ばないように、失敗しないように見守っているのです。
アルコール依存症でいうと、お酒を飲まない対策をするよりも、お酒を飲む前にどんな言葉が聞こえるのか、パーツさんはなぜそんな言葉を言うようになったのかを紐解いていきます。
パーツさんの種類
パーツさんの種類はたくさんあり、人によってさまざまです。
- 批判屋さん
- びくびくさん
- 不安さん
- 休めないさん
- 完璧さん
- 風紀委員さん
- リーダーさん etc.
また、パーツさんが、過去に傷ついたトラウマ体験を持ったインナーチャイルドを守っていることもあります。
みんな、あなたを守るために存在している、素敵な存在です。
パーツセラピーでどんな自分を好きになる

パーツ心理学で行うセラピーをパーツセラピーや、パーツワークなどといいます。
多くの人は、自分が1人の人格だと思っています。ですが、これが生きづらさの原因になることもあります。
「私はダメな人間だ」のように聞こえてきたかと思ったら、「そんなことを考えてはダメ」と前の声を否定するような声がしてくることがあります。
これらを全部自分1人の声だとすると、とてもダメな人間のような気がしてきませんか。でも、自分の中のいろんな声が勝手に言っているだけで、私はそれを観察しているだけ。しかもいろんな声は、私を守ろうとしてくれている。
こんな風に考えると、どんな自分のことも許せますし、どんな自分も好きになります。
パーツセラピーはこんな方に向いています
- 心の傷やトラウマ体験がある
- 毒親に育てられた
- 変わりたいのに変われない
- なんとなく生きづらい
- 自分を好きになりたい
- 自分を否定する声がする
パーツ心理学で心をもっと健康に
パーツ心理学は、日本ではまだそんなに馴染みがありませんが、インナーチャイルドやアダルトチルドレンのための療法というとわかりやすいかもしれません。
少しでも自分を否定してしまうことがあるのであれば、ぜひパーツセラピーを受けてほしいと思っています。